【現在HUNTER×2イルミリク執筆中】短編集【R18】
第1章 【ヒロアカ 】【自作】裏切りの痕には※轟・爆豪【R18】
これがきっかけで、もしかして付き合うって話になるかもしれないと言う甘い考えが無かった訳じゃなかった。
轟の性格だったらそうなるかもしれないなんて、打算は少しあったりもした。
私はどうやらピュア少年を汚してしまった様だ。
私が固まっていると、轟が気が付いたのか、頭を撫でてくる。
ぎゅっと轟に抱かられると、もし私が付き合って欲しいと言って、断られたら、もうこの腕に抱かれなくなってしまうのなら、私だってもう戻れない。
私は不安な気持ちを、轟を抱き返す事で埋めた。
埋まるはずも無いのに、轟の腕の中にいる間だけは、何故か不安が薄くなる。
この時はまだ知らなかった。
その分の反動は、一緒に居られない時に大きく自分に返ってくる事を。
その日以来、学校では相変わらず話す事も無く、轟はたまに学校帰りにうちに来るようになった。
轟と会えると嬉しくて、1人で居る時の不安な気持ちが無くなって、幸せな時間を過ごせた。
「‥上條、寮の話聞いたか?」
いつもの様に、ベットで余韻を感じてる時に轟は言った。
私は轟の胸にあった顔を上げて、轟の顔を見た。
不安そうな顔の轟と目が合う。
それは私も考えていた。
もちろん私達は寮に入る予定で居るが、そうしたらこうやって会う事も出来なくなる。
学校の寮でこんな事を出来るはずも無い。
「‥うん、聞いたよ。」
私は轟がどうするのかと、あえて答えを出さなかった。
親は何かあった時の為に、このマンションは引き払わないでいいと言ってくれていた。
もしかして、これで私達の関係は終わってしまうのだろうか。
私はドキドキしながら轟の言葉を待った。
「‥週末に外出届出して、外で会うか?」