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【現在HUNTER×2イルミリク執筆中】短編集【R18】

第5章 【ヒロアカ 】【自作】毒の花※死柄木【R18】


だけど、これだけは分かる。
弔に幻覚を見せるのに、赤い一輪の花で良かったのに、忘れさせるにはこの部屋いっぱいに花を咲かせるだろう。
真っ白な小さい花が何本も部屋に咲いて、その痺れる様な香りの中、私と弔は最後までキスをしていた。
それが2人の最後の記憶になり、私達の記憶はそこで無くなった。

私が目を覚ますと、そこは病院で、私を最近見かけない大家さんが心配して私の部屋を覗いてくれたらしい。
そこで倒れている私を発見して、救急車を呼んでくれた様だ。
私は栄養失調と脱水で倒れていたらしい。
目を覚ませられたのは運が良かった様だ。

一応事件性も考えて、警察も来たが、私は数日の記憶が無く、答えられる事は無かった。
ただ覚えのない体の情事の痕に、困惑する事なく、何故か胸がギュッと締め付けられた。
それが何故なのかは、思い出す事は出来なくて私は消えていくその痣を毎日見ながら、胸を痛めるだけだった。

退院してしばらくして、あの神野事件が街頭の液晶で大きくニュースでやっていた。
主犯者は逃亡したらしく、掌をたくさん付けた人の映像が流れると、私は足を止めてそのニュースを見入った。
その彼の映像を見て、何故か私は見た事の無い、赤い花と、白い花を思い浮かべた。

彼の映像が終わると、私はまたゆっくり歩き出す。
何故か急に彼氏が欲しくなった。
そう、キスがとても気持ちがいい彼氏がいい。
ーそれは見つけるのが大変だな。
その時誰かの声が聞こえた気がした。

私はそうだね、と心の中で答えると、そのまま街の中を歩き始めた。
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