第2章 新たな生活
が教室に戻ると、友だち2人はすでにお弁当を広げていた。
友達1「あら戻ってきたの?」
「花道いなかったー」
わざとらしく涙目を作ってみせる。
友達2「そうなの。どうして?」
「体育館に行ったって」
友達1「体育館?」
「一目惚れした子と一緒に行ったんだってさ。バスケしに」
その瞬間、友だち2人の箸が止まった。
友達2「一目惚れした子って…あんた嫉妬しないの?」
「嫉妬?うーん、別に?」
友達1「あんなに好きなのに!?」
「うん。自信あるから」
ふふっと笑って、自分の胸をポンと叩く。
「誰よりも花道のこと好きな自信あるから。最後に振り向かせられるって自信があるから。今は少し寄り道してるだけだよ!」
友達2「尊敬するわ…」
友達1「本当に…」
「想い続けて10年ですから!」
さっき水戸にやったのと同じように、指を10本ぱっと開いて見せる。
「でもあの花道がバスケするなんてねぇ」
友達1「バスケと言えば流川くん!」
友達2「うんうん!かっこいいよね!」
「流川?」
友達1「あんた席隣でしょ!?羨ましいわ!」
「え、あの隣にいる爆睡マン?」
友達2「爆睡マンて…名前も知らなかったの?」
「うん」
友達1「本当桜木くん以外興味ないのね…」
友達2「その流川くんもバスケ部なのよ!すんごい上手でもうカッコいいんだから!放課後見に行ってみる?」
「行かない。花道と帰る」
友達1「でも、桜木くんもバスケ部入るんじゃない?」
「え…」
の箸がピタリと止まり、表情にわずかな驚きが浮かぶ。