第11章 翔陽戦
藤「初戦だからって油断すんなよ。湘北は勢いのあるチームだ。この試合で勝って、逆に俺たちが勢いをつけようぜ。そして今年こそ、俺たちがナンバー1だ。さぁ気合入れていけよ!」
翔陽「「おう!」」
翔陽のメンバーは藤真の言葉に静かなる闘志を燃やした。
桑「木暮さん、翔陽の監督はあの人ですか?強豪チームの監督には見えないけど」
桑田はベンチに座るヒョロヒョロのお爺さんを見て言った。
木「いや、あの人は顧問の先生だ。バスケは素人だよ。監督はあいつだ。選手兼監督、藤真健司」
桑「選手兼監督!?そ、そんな人がいるんですね…」
審判「ピピーッ!始めます!」
花(退場しない。流川より点を取る。リバウンドを制す。天才に課せられた使命は多い。だが…やってやる!)
花道はぎこちなく歩いた。
(花道ガチガチだ…)
宮(なんてでけぇチームだ。去年2位の実績に加えてさらにスケールアップしていやがる。この高さはハンパじゃねぇ)
三(こいつか…!!)
三井は6番の背番号を見つけた。
三(チッ…こんな顔も思い出せねぇような奴が…)
三「おい6番!俺を5点に抑えるらしいな。どこの中学か知らねぇが、笑わすんじゃねぇぞ」
6番の長谷川は無言で睨むだけであった。
観客「「花形!花形!花形!花形!花形…」」
会場には花形コールが巻き起こった。
「え?え?なんでなんで?なんで花形さんがこんなに人気なの!?確かにバスケは上手いけど…なんでなの!?」
はバスケは上手いが冷たい人という印象があったため、非常におろおろし、戸惑った。
藤「グフッ」
そんなの様子を見た藤真が耐え切れず笑った。
透「試合前だぞ、笑うな」
藤「ごめんごめん、あまりにも…ね」
自分が人気なことにが疑問を抱いていたのと、藤真が笑っていたのとで、いつも仏頂面の花形はさらに仏頂面になった。