第10章 退場王
ー2日後ー
この日は3回戦当日であった。
三井が会場に向かい歩いていると、不良に追いかけられる鉄男が目に入った。
三「あっ…!鉄男!」
三井は追いかけた。
「ふぁーあ。ねんむいなぁ…ん…?あれは三井さんあんなに走って…会場と逆方向なのに…」
走る三井をなぜか心配に思ったは追いかけた。
「どこなの…」
するとどこから殴りつける音が聞こえた。
は音のする方へと走った。
「嫌な予感…どうか…どうか三井さんじゃありませんように…」
しばらく走り、路地裏を見ると、ようやく見つけた。
そしてそこにはボコボコにされた鉄男と三井がいた。
「あぁ…」
竜「殴り返してみろよ、ほらっ。学校には内緒にしといてやるぜ」
三「あっ…安西先生と、もう二度と喧嘩はしないと…約束したんだ…」
(変わったんだ…)
不良たちはそんな三井を笑った。
竜「お利口さんになったなぁ、三井」
三「なんとでも言え…ぐぁっ!!」
竜「いい子ぶんじゃねぇよ!」
すると三井が鳩尾を蹴られてしまった。
「三井さん!!」
竜「ん?」
三「っ…!来るな!」
「やめて!」
竜「お前はあの時の女じゃねーか」
三「やめろ…そいつは関係ない…手を出すな…」
「やめて。これから大事な試合を控えてるの。三井さんに何かあったら、湘北は勝てなくなる」
竜「ふん」
竜は子分にを捕らえるよう顎で指示した。
「ちょっ…」
三「や、やめろ…!!」
竜「ほう。そんなにバスケとこの女が大事か」
三「はぁ…はぁ…」
竜「なら土下座して頼むんだな。お願いしますって。バスケとこいつのためなら何でもできるんだろう?」
三「…」
三井は地面に手をついた。
「三井さん…!!そんなことしなくていい!!」
三「たっ…頼む…許してくれ…」
すると子分たちが三井の手を踏みつけた。
「三井さん!!やめて!!」
は泣きながら叫んだ。
竜「はい、ご苦労さん」
竜は鉄パイプを持ち、三井の方へ近づいた。
三井の手を鉄パイプで粉々にしようとしたのだ。