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僕だけを見つめて【スラムダンク】

第6章 リョータ・三井復帰


一方、花道は鉄男へと向かっていく。

花「第二ラウンドだ」

鉄「来い」

拳が唸り、鉄男が花道へ襲いかかる。
しかし花道は――打たれ続けていた。

鉄男の巨大な拳が花道に当たるたび、
空気が揺れ、部員たちの息が止まる。

それなのに、花道は反撃しない。
ただ受け止めて、耐えて、睨んでいる。

(みんな気づいてない…花道だって相当強い…きっとあれは…わざとやられてる)

その理由は、花道自身の言葉が証明した。

花「あぁ、蚊がいるな」

鉄「フッ、ハハハハハっ!上等上等!はっはっはっ!」

花道は“殴られ続ける自分”すら、相手への牽制に変えていた。

その裏で、三井は水戸に完全に追い詰められていた。

(んんー…レンタルビデオ屋以外でもどっかで見たことあるような…誰だ…ええっと…ええっと…)

木(もうよせ…)

水戸が三井の胸ぐらを掴み、木暮が苦々しい表情を浮かべる。

洋「もうバスケット部には関わらないと言え。」

三「ああ?」

三井は苛立ちを露わに、これでもかというほど眉を吊り上げた。

洋「この体育館には二度と来ないと言え。」

水戸の目は冷たく光り、
その声には“絶対に退かせる”という覚悟が宿っていた。

同時――

鉄男の拳が花道へ迫る。

だが。

花「バカめ、てめぇのパンチはもう見切った」

花道は 鉄男のパンチを全て跳ね除けていた。

(やだかっこいい!!花道♡)

鉄「へはっ!バカめ!ふざけたことを…」

再び拳を振るう鉄男――
しかし花道の方が速かった。

鉄「ぐぉっ!」

花「8発だぞ、8発」

その声は冷たく、静かで、怒りそのものだった。

続いた拳は——
仲間の分だった。

花「今のはシオの分。次はカクの分だ!」

流川の分はそっと頬に触れる程度。
建前で"返す"。そんな感じだった。

そして。

花「そしてこれはリョータくんの分!」

鉄男の顎へ強烈な蹴り。
鉄男の身体が大きく揺れる。

最後に花道が拳を握り直し、
大きく拳を振り上げた。

花「そしてこれは、の分…」
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