第9章 揺らぎ
「陵南は、マネージャーの手伝いとかしないんですか?仕事見たりとか。あ、いや別にそんなこともしてないのかとかって嫌味じゃなくて…」
仙「ハハハ、分かってるよ。んーそうだなぁ…他の部員はしてるのかもしれないけど、俺は全くだな」
「そうなんだ…仙道さんて、結構プレイボーイなイメージだったから、そういうの率先して手伝うタイプかと思ってました」
仙「どこからそんなイメージついたんだ?」
「え、いや、顔もかっこいいし、私への対応とか…」
仙「ちゃんにしかしないよ。俺、あんまり女の子とは話さないよ。必要最低限のことしか」
「そうなんですか?」
仙「うん。興味ないからね。意外?」
仙道はニヤニヤして聞いてきた。
「…はい…」
仙「俺は本気だから」
「…」
は仙道の顔を見上げた。
仙「バスケ以外のことでこんなに興味持ったの初めてなんだ。そのくらい、俺はちゃんのこと、本気で想ってる」
「…」
仙「だからちゃんと考えておいて。返事はまだいいから」
「…はい」
仙「でもそうだな…俺だけ我慢てのもなぁ…」
「私何も…」
チュ…
が話そうとすると、仙道から触れるだけのキスをされた。
「!?」
仙「よし、俺はこれでいつまでも待てできる」
「…」
はボッと顔を赤くした。
仙「あ、もしかして初めてだった?」
「あ、当たり前じゃないですか!」
は正気を取り戻すと恥ずかしさで仙道に背を向けた。
仙「ハハハ、そりゃそうか。でも、やったね」
仙道は喜んでいた。
仙「よーし、さっさと終わらせて今日は帰ろう。送って行くよ」
2人は掃除を終わらせ、は家まで仙道に送ってもらったのだった。
その間は終始顔が赤かった。