第70章 報告
私の妊娠が発覚した翌日、
職場の人にその事を告げると、みんなはポカーンとした顔をしていたけど
その後すぐに全員揃って「おめでとう!」と言ってくれた。
ボディーガードの仕事が出来なくなることを伝えても
嫌な顔なんて全くされなかった。
前々から新しく人を雇おうか考えていたみたいで
私は事務所で大人しくデスクワークをやってろと言ってもらえたので
みんなの厚意に甘えることにした。
しかし、デスクワークをしている最中も私はつわりに悩まされていて
何度か仕事中に嘔吐していた。
食べ物はほぼ全般食べれず、唯一食べれたのはゼリー少量で、飲めるものは炭酸水だけ。
好物の甘い物すらも受け付けなくて、それがすごく悲しかった。
そんな感じで
なんとか1人でつわりに耐えながら2日が経ち、
今日は零くんが帰ってくる予定の日…。
朝から事務所で仕事をしているが
この3日間まともに食べてないし、あまり寝ていないから
かなりフラフラの状態だった。
梢「美緒ちゃん大丈夫…?
辛いなら休憩室で休んできてもいいよ?」
『すみません…。
じゃあこれ終わったら少し休ませてもらいますね…』
キリのいいところまで仕事を終わらせて
休憩室に向かおうと立ち上がった途端
急に眩暈がして思うように体が動かず倒れてしまった。
梢「っ、美緒ちゃん!!」
あー…きっとこれは貧血だな。
間一髪で近くにいた梢さんに抱き止められたが
私は意識を保つことができず、そのまま気を失ってしまった。