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《降谷夢》bonheur {R15}

第68章 謎解



「美緒っ…お前…!」

『昔の零くん見るのなんて初めてだもん。
捨てるなんてもったいない!』

「実物の僕が隣にいるんだからいいだろう!」

『せっかく諸伏くんのお兄さんからもらった結婚祝いなのに…捨てたりしたら失礼でしょ…?』

「っ、そんな風に言われたら……何も言えないだろ…」


顔に手を当ててため息をついた零くんは
ようやく諦めてくれたようだ。


『諸伏警部、本当にありがとうございます。
この写真大事にしますね!!』

「喜んで頂けてよかったです。
では私も現場検証に行ってきますので…
後ほど事情聴取をよろしくお願いします。」


私達にペコっと頭を下げると
諸伏警部は教会の方へと向かって行き、私と零くんの2人だけになった。



「…。」
『零くん…そんなに拗ねないで?』
「子供の頃の自分を見られたら恥ずかしいに決まってる…」
『すっごく可愛いのに?』
「可愛いなんて言われても嬉しくない。」



まだ少し顔が赤くなっている零くんが可愛くて…


私は誰も周りにいないのをいい事に
彼の頬に唇を寄せて、ちゅっ、と音を立ててキスをした。


「っ…」
『ふふっ、また顔真っ赤になってる。』


普段はめちゃくちゃカッコいいのに
時々私に見せてくれる照れた表情もすごく愛しい。


「…東京に帰ったら覚えてろよ。」

『はいはい、覚悟してますよ旦那様?』


ニコニコしながらギュッと腕に抱き付くと
零くんは照れくさそうにしてたけど、なんだか少し嬉しそうでもあった。


そしてしばらくの間、現場検証が終わるのを待っていると
そのまま私達は長野県警で事情聴取を行い、
終わる頃には帰りの特急電車の時間が迫っていて…


なんとかギリギリ電車に飛び乗って東京に帰ってきた。


あっという間に終わってしまった一泊二日の長野への探偵旅行。


事件に巻き込まれたのは残念だったけど
私は素敵なプレゼントをもらえた事が嬉しくて…
帰りの電車の中ではみんなが眠っている中
諸伏くんのお兄さんにもらった写真をニヤニヤしながらずっと見続けていた。














(…はぁ……)

(零くん?どうしたの…?)

(せっかく長野県に行ったのに…蕎麦食べれなかった…)

(…ほんとに好きなんだね、お蕎麦。)




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