第68章 謎解
藤出さんは屋根裏をスマホのライトで照らしながら進み
ちょうど書斎の真上まで移動したところで板を外していた。
そして書斎に降りたところで西野さんから
新しい暗号の紙を見つけた、と言って手渡され…
西「ブハッ!何すんだよ藤出!」
藤「っ…え?」
西「変な物飲ませるんじゃねーよ!
俺はまだ死にたくない!殺さないでくれ…!!」
西野さんはまるで藤出さんに毒を無理矢理飲まされているかのような一人芝居の演技を始めたので
私達は屋根裏から順番に書斎に降り立った。
小「死にたくねーなら飲まなきゃいいんじゃねーか?」
西「!?」
『あなたが今手に持ってる…毒をね。』
「今の叫び声を僕達が部屋の外で聞いたと証言すれば
こっそり屋根裏を通ってきた藤出さんが
無理矢理あなたに毒を飲ませて殺した…と警察は思うでしょうから。」
それに…西野さんが持っているペットボトルの水も
藤出さんからもらったものだから、指紋もついてるだろうし
さっき藤出さんに送られてきたメールも
スマホをその辺に落としておけば自分自身に送ったんだろうと思わせることがてきる。
西「い、いや…ちげーよ!
俺はアンタらが天井からドヤドヤ降りてくるから…
ちょっとパニクってただけなんだ!」
私達が書斎に来るとは思っていなかった西野さんは
驚きながら水で濡れた口元を拭い、反論し始めた。
西「そ、それに……さっきも言ったけどよ、
和田と川崎が殺されたのは偶然だし…」
「いや、必然ですよ…
あなたはボーガンを仕掛けたトイレに
和田さんが向かうように仕向けたんです…トリックでね。」
『ハサミがない場合、一枚の紙を9等分にするには
縦と横に2回ずつ折りますよね?
そうすると4辺すべてに破り目ができるのは…
中央の紙、一枚だけです。』
その紙を和田さんに渡して名前を書かせ、
ティッシュ箱に入れたとしても破り目を手で探れば
どれがその紙か分かるという寸法。