第64章 幸福
『風見さん達…あそこで何してるの…?』
「やっと気付いたのか。
あいつらは今日護衛をしてくれてる。
念の為にだけどな。」
『秀…っ、「……。」あ、赤井さんとコナン君も?」
秀一くんって言おうとしたら
久しぶりに零くんの無言の圧力を喰らってしまった。
相変わらず、すごく怖い圧だ。
「赤井は…美緒が嫁に行く時は見届けてあげて欲しいってお前の両親に頼まれていたみたいだから仕方なく呼んだ。コナンくんにはその話を電話でしてるところを聞かれてな?護衛を手伝うって言ってきたんだ。」
…小学生に護衛を頼むなんてそれは大人としてどうなんだろう。
いや、確かにあの子はその辺の大人よりずっと頼りになるんだけどね?
『後で電話でお礼言わないと。』
「赤井にはいらない。」
『いや、いるでしょ。』
「…本当に頑固だな。」
『治らないから諦めて?』
零くんは大きなため息をついていたけど
きっと零くんも秀一くんに護衛してもらってることに
少なからず感謝しているはずで、それ以上は何も言って来なかった。
エ「みんな並んだー?
私が写真撮るからね!同期組だけの写真欲しいでしょ?」
『ありがとうエリス。後で一緒に撮ろうね!』
…そして松田くんとのツーショットも撮ってあげよう。
エ「今日の私はカメラマンでもあるから気にしないで!
よし、じゃあみんな撮るよー!はい、チーズ!」
みんなは上手く撮れているかエリスの元に向かって行き
私と零くんは少し離れたところからその様子を見ていた。
『…零くん。』
「どうした?」
私は零くんと向かい合わせになって彼の顔を見つめた。
『 Je t’aime de plus profond de mon coeur. 』
私の言葉に零くんは一瞬ぽかんとしていたけど
すぐに笑顔に変わり私の太股あたりに手を回して抱き上げた。
『わっ、…零くん……?』
世のカップルが
結婚式を挙げる際によくやっている縦抱っこ状態で…
私は零くんの肩に手を置き、彼を見下ろす形になっている。
「Je t'aime aussi. Tu es mon trésor. 」
『っ…』
…ああ、もう!
すごくキザな台詞なのに
なんで零くんが言うとこんなにカッコいいの…?