第64章 幸福
4ヶ月後ーーー…
夏が過ぎて秋の季節がやってきた。
しかしまだ9月だからそこそこ暑い日が多い。
私と零くんは先日無事に入籍し、戸籍上は夫婦となった。
零くんはゼロだし、現在も組織に潜入中の為
私と夫婦になったことは風見さんと1人の上司にしか伝えていないらしい。
私の名字は戸籍上「降谷」になったけど
仕事では変わらず「若山」の性を名乗っている。
そっちの方が呼ばれ慣れてるし、結婚した事を公にするわけにはいかないから…
他に私達が結婚したことを知っているのは
警察学校の同期であるみんなと、私の職場の人達、
あとはコナン君と秀一くんだけだ。
つまり
零くんの正体を知っている人達にしか教えていない。
そして入籍する少し前から私と零くんは一緒に暮らし始めた。
私は自分のアパートを引き払ったけど
零くんのアパートはそのままにしてあるそうだ。
いつ誰に命を狙われるか分からないから
危険が迫っている時は私を巻き込まないように
そっちのアパートに帰るつもりらしい。
今のところ、そんな事は一度もないんだけどね。
零くんは相変わらず仕事が忙しい時が多いので
夜に帰ってきたと思ったら夜中に出て行ったり
家に帰ってこない日が続くこともあった。
入籍した今もそれは変わらなくて
結婚したっていう実感が正直あまり湧かなかったけど…
朝起きたらいつの間にか零くんが私の隣で寝ていて
彼の顔を見る回数は増えたと思う。
それだけですごく幸せな気持ちになった。
ちなみに婚姻届の証人欄は
私は東社長に頼み、零くんは幼馴染である諸伏くんに頼んで書いてもらった。
…私も幼馴染である秀一くんに書いてもらおうと思ってたけど
零くんに断固拒否され、それは叶わなかった。