第61章 擁護
「ヒロ…美緒は僕達を守ろうとして
自分を犠牲にしようとしたんだ。
お前がそんな状態のままだと美緒が泣くぞ。」
あいつはいつだって
自分がどれだけひどい傷を負っていても相手のことを心配するから
何度呆れたから分からない。
でも美緒は上辺だけじゃなくて心から心配してくれるから…
いつもその優しさを痛感してる。
それはみんなも一緒のはずだ。
諸「…確かに……
もう美緒ちゃんを悲しませたくないから
大人しく病室戻るよ…。」
伊「お前も重症なんだから怪我治るまで大人しくしてろ。
また見舞いにくるからよ。」
諸「ああ。ありがとう。」
みんなでヒロを病室まで送り、僕達はそのまま病院を後にした。
それから僕は毎日、美緒の元へ足を運んだ。
手術をした2日後にはICUから一般の病室へ移動できて
少し広めの個室を手配させてもらった。
そして…
事件の日からすでに3ヶ月が経ったが
美緒の意識はまだ戻らない。
美緒……
いつになったらお前の笑顔が見れるんだ…
もう…待ちくたびれてきたよ…。