第59章 狙撃
零くんに協力者のクビ宣言をされた翌日から
私は事件の犯人を調べ始めた。
犯人の正体はまだ分からないけど………
おおよその検討はついている。
秀一くんにもお願いして一緒に調べてくれているから
きっとそのうち突き止めることができるはずだ。
でも…
いつ犯人が私の知り合いを襲ってくるか分からないので
一刻も早く暴いて捕まえてやりたい。
今日は仕事を休ませてもらって犯人のことを調べようと
コナンくんから聞いた風見さんが撃たれた現場付近で
犯人を見た人はいないか聞き込みをしているところ
私の名前を呼ぶ声が聞こえた。
「美緒ー、こんなところで何やってんだ?」
「美緒ちゃん久しぶり〜!」
今日は非番なのか、私服姿の松田くんと萩原くんが私に手を振りながら近付いてきた。
『…久しぶり。』
2人とも元気そうでよかった…
先日事故にあった伊達くんも
もうほとんど怪我は治ったと彼の恋人のナタリーさんから聞いている。
東社長の傷口もだいぶ癒えて来週から仕事に復帰できるそうだ。
近づいてくる2人の元気そうな顔を見てホッとしていると
私の様子を見ていた2人は怪訝な顔をしていた。
松「お前…何かあったのか?」
萩「すごく疲れた顔してるじゃん…ちゃんと寝てるの?」
…正直あまり寝ていない。
寝てる間に誰かが襲われるかもって考えると怖くて
ここ最近は眠れない日が続いていた。
何て説明しようか迷っていると私のスマホが振動し
画面を見ると秀一くんからの着信だった。
『…ちょっとごめんね。』
私は2人に断りを入れて
少し離れた場所に移動してから電話に出た。