第56章 美容
『ふーっ…今日も無事に仕事終わったなぁ。』
現在、ボディーガードの仕事を終えて事務所で少し休憩中。
コーヒーを飲みながらほっと一息ついていると
事務所の電話が鳴った。
梢「もしもし…
あ、はい。今代わりますね。」
電話に出た梢さんが私の方を見てきたので
どうやら私宛の電話だったらしい。
梢「美緒ちゃんに電話よ。
エリスさん、って言う方から。」
!?エリス!?
聞き覚えのある名前だったので、私はすぐに受話器を取った。
『もしもし、エリス!?』
「Hi、美緒。久しぶり!元気ー?」
「元気だよっ!
本当に久しぶりだね!!」
エリスは私がアメリカに3ヶ月くらい住んでいた時に知り合った友人で
私が日本に帰国する時、職場の連絡先だけ一応教えておいたんだ。
時々パソコンからメールはしていたけど
電話がかかってくるのは初めてだった。
彼女はフランス人で職業は美容師。
美容院で出会ったのがきっかけで
なぜかとても話しやすくて仲良くなった。
『前より日本語上手くなってるね!
相当勉強したんじゃない?』
「まぁねー!
近々日本に行くつもりなんだ〜。」
『え!?それってまさか…!』
「そう!!
やっと日本で自分のお店開くことが決まったのー!」
『やっぱり!おめでとうエリス!!』
彼女はフランス人だが
昔、日本に旅行に来た際とても日本が気に入ってしまったらしくて、大好きな日本で自分の店を持ちたいというのが彼女の夢だった。
ちなみにアメリカにいたのは
美容師としての腕を上げるために修行していたからだと聞いている。
「店のオープンは3週間後なんだけどね?
ちょっと美緒にお願いしたいことがあって。」
『私に?』
「うん、実はね……」
…。
『……えぇーーーー!?』
エリスから聞いたお願いは
私が全く予想していなかったことで、とても驚かされた。