第44章 追想
思い出した事を自覚した瞬間、
わたしの背負っていたリュックの外側ポケットに
コナン君が手を突っ込み、穴の空いたコーラの缶を手に取っていた。
コ「美緒さん、僕から少し離れて!」
風「噴水が止まれば終わりだ!
もう諦めるんだな!!」
『っ…。』
風戸先生の声が聞こえたが、
彼の正確な位置までは分からない。
このままじゃ本当に、噴水が止まったら撃たれて殺される。
そんな時コナン君が、先程抜き取った缶を宙に放った。
それを見た風戸先生が銃で缶を撃ち抜き、
弾丸の軌道から彼の立ち位置が分かったようだ。
噴水が止まりかけて、風戸先生の顔が見えた瞬間…
コナン君は、阿笠博士の発明品の靴で
落ちてきたコーラの缶を蹴り、彼の顔面にぶつけていた。
……相変わらず、すごい威力だな。
コナン君は倒れている風戸先生に近づき
転がっていた拳銃を蹴飛ばしていて、
私は腕を押さえてしゃがんでいた零くんに近付き声をかけた。
『…零くん、腕大丈夫…?
ごめんね、私のせいで…。』
「っ!?…美緒……お前まさか……」
零くんと向き合っていたら風戸先生が起き上がる音が聞こえて
そばにいたコナン君は地面に押さえつけられてしまった。
『っ、危ない!!』
私は彼らに向かって走り、
風戸先生が持っていたナイフをコナンに振り下ろす前に
犯人の顔に飛び膝蹴りを喰らわした。
コ「っ、え!?」
『コナン君!大丈夫!?』
コ「え、あ……うん。大丈夫…。」
『よかったー!!』
風戸先生は先程私が蹴ったところをおさえながら
よろよろと立ち上がり、今度は私にナイフを向けてきた。
風「…くっ、そ…!なんなんだお前は!」
『……ただの喧嘩が好きな女です。』
私の後ろで零くんの笑い声が聞こえたけど、今は無視。
『私の大事な人達をたくさん傷つけたお礼……
させてもらいますから。』
私はそのまま風戸先生に向かって行き、腹や顔を殴り蹴り
ボロボロの状態になるまで打ちのめした。
もちろん、手加減なんか全くしていない。