第42章 居候
一度私のアパートに寄り、
着替えを取りに行ってから蘭さん達の家に向かった。
生憎今日の天気は雨だけど、
私は初めて見る外の街並みを車の中からじーっと眺めていた。
「美緒さん、もうすぐつきますからね。」
『はい!送ってもらっちゃってすみません安室さん。』
「気にしないで下さい。この後ポアロでバイトなので
行き先は同じなんですから。」
安室さんは病院まで私のことを迎えに来てくれて
今日はこのままポアロという喫茶店でウエイターの仕事だと言っていた。
しばらく車で走ると、毛利さんや蘭さん、コナン君が自宅の前で私のことを外で待っているのが見えた。
「着きましたよ。荷物は僕が持っていきますね。」
安室さんに返事をしたところで
蘭さんが外から助手席のドアを開けてくれてた。
蘭「美緒さん、雨降ってるので傘どうぞ。」
『ありがとう、蘭さ……ん……、っ…。』
傘を差した蘭さんを座ったまま見上げると、なぜか手と体がいきなり震え出した。
「美緒さん…?どうしました?」
『わ、わかりません…
急に体が…震え出しちゃって…。』
「…大丈夫ですよ、美緒さん。
落ち着いて深呼吸しましょう。」
安室さんは優しく私の手を握ってくれて
言われた通りに深呼吸していると震えは治った。
『…ありがとうございます、もう大丈夫です…。
あの…蘭さん、屋根があるところまで走っていくので
傘は大丈夫です…。ごめんなさい…。』
蘭さんにそう伝えると了承してくれて
私達は毛利さんの自宅に入った。