第40章 心傷
ヒロとは長い付き合いだから
きっと僕の考えている事なんてお見通しなんだろう。
辛くて悲しくて苦しい……
僕はしばらくの間、目元を押さえ静かに涙を流した。
ーーーー…
「ヒロ…ありがとな。もう大丈夫だ。」
「…そっか。
ここに来る前、風見達にも連絡しておいたから
ゼロは何も気にせず美緒ちゃんの側にいてあげて。」
「…悪いな。」
ヒロは僕の代わりに公安の仕事をするため帰って行った。
僕はヒロのおかげで気持ちを切り替える事ができたので、
美緒の病室に向かった。
もう……何も迷わない。
例え記憶が戻らなくても
ずっと美緒の側にいて
僕の命に変えても、彼女のことを守ってみせる…。
僕はそう決意して、病室の扉を開けた。