第40章 心傷
「「っ…!?」」
……美緒…?
お前…何、言ってるんだよ……
蘭「やだなぁ美緒さん、悪い冗談やめて下さいよ…。」
園「そうですよ…!
いくら美緒さんでも冗談キツいですって!」
『…ごめん、なさい…。
…あの、私の名前、美緒っていうんですか…?』
まさか…そんな………
園「わたし……っ、みんなを呼んできます!」
園子さんが病室を出て行った後、
僕は少しふらつきながら美緒の側に近づき声をかけた。
「…美緒さん。僕の事も…覚えていませんか…?」
『……すみません。分からない、です…。』
美緒は僕の目を見つめてはっきりとそう答えた。
…嘘だ……こんなの嘘だ……
美緒が僕のことを忘れてしまった恐怖で足が震え
立っているのが精一杯だった。
そのまま何も言えずにいると、コナンくん達が揃って病室に入って来た。
コ「美緒さん?……大丈夫?」
『ボウヤ……私のこと…知ってるの?』
コナンくんを含め、毛利さん達全員は驚き息を飲んでいた。
「美緒さんは……
どうやら記憶を失ってしまったようです…。」
コ「っ……そんな……!
安室さんのことも…分からないの!?」
『安室さん…って…?』
「……僕のことですよ。
僕はあなたの……友人です。
とても仲良くさせてもらってました。」
僕がそう言ったことで、
みんなはとても驚いているようだった。
本当は恋人だと言いたかったが、
記憶を失った美緒にそんなことを言ったら
きっと混乱してしまうと思い、咄嗟に嘘をついた。
『そう、でしたか……。
すみません、私……何も覚えてなくて…。』
「……気にしないで下さい。
いつかきっと思い出せますから。」
僕がそう言うと、美緒は少し笑ってくれたが
いつもの笑顔とは違い、どこか遠慮しているような作り笑いだった。