第36章 最悪
警視庁に着いてから
わたしはコナン君とは別々に事情聴取をされた。
勝手に銀行強盗を追いかけたことに対して
目暮警部にすごく怒られたけど…
最後には
捕まえてくれてありがとうとお礼を言われ、わたしの事情聴取は終了した。
部屋を出ると、
すぐ近くにある椅子に松田くんが座っていて、私が部屋から出てくるのを見て彼は立ち上がりわたしに歩み寄って来た。
松「事情聴取、終わったか?」
『うん…コナン君は?』
松「さっき終わって、佐藤が家まで送って行った。」
『そっか。…じゃあ私も帰るね。』
私が松田くんの横を通り過ぎると彼に腕を掴まれて引き止められた。
松「美緒……さっきは怒鳴って悪かった。」
『松田くんは悪くないよ。
今回は私が悪いの。だから謝らないで?』
松「いや…俺も言い過ぎちまったから…
……ありがとな、強盗犯捕まえてくれて。」
松田くんは掴んでいた私の腕を離して優しい顔でお礼を言って来た。
私が勝手に無茶なことをしただけだから
本当はお礼を言われる筋合いなんかないのに…。
わたしが何も言わずに俯いていると再び松田くんから声をかけられた。
松「お前…何かあったのか?ひでぇ顔してるぞ。」
ひどい顔って……
昨日の仕事中にも言われたけど、そんなにひどい!?
『ちょっと仕事が忙しい日が続いてて疲れてるだけだよ。
だから大丈夫。』
松「嘘つけ。どうせあいつと何かあったんだろ?
顔見れば分かるって。」
…松田くんもこういう時は結構鋭いんだよね……。
わたしの周りには鋭い感の持ち主が多すぎて困る!