第35章 強盗
「美緒さん、大丈夫?」
『え…?今のボール……
コナン君が!?威力やばくない!?」
「阿笠博士の発明品なんだ。」
博士凄すぎ!!
あの威力はきっと大人よりすごいよ!?
『うーん…わたしの蹴りより痛そうだな。』
「いや、美緒さんの蹴りには負けるよ…。」
苦笑いのコナン君と話していると
パトカーのサイレンの音が聞こえてきて
見覚えのある赤い車が近くで止まると、中から松田君と美和子ちゃんが降りてきた。
松「美緒!?お前何やってんだよ!」
『何って……コナン君とドライブしてる時に
目の前で銀行強盗見かけたから…。』
佐「…あそこで伸びてる2人が強盗犯ですか?」
『そうだよ。逃げられると厄介かと思って…
ちょっと強引すぎた…かな?』
私たちが話していると
他の刑事達が顔を腫らした強盗犯を連行していった。
松「そういう問題じゃねぇだろ!
危ないことに首突っ込むなって
お前は何回言えば分かるんだよ!」
うっ……
久しぶりに松田くんに怒鳴られてわたしは萎縮してしまった。
『だって…』
松「だってじゃねぇ!!
相手は拳銃持ってたんだぞ!?死んだらどうすんだよ!』
……。
確かに今回はコナン君のおかげで助かったようなものだから、松田くんが怒るのも無理はないし、私がしたことは褒められたものじゃない。
零くんと立花さんのことでモヤモヤしてたからって暴走しすぎた。
佐「松田くん…、そんなに怒らないでよ。
美緒先輩も反省してるし。」
『美和子ちゃん。
私が悪いから庇わなくていいよ。
…コナン君もごめんね…怖い目に合わせたよね?』
コ「いや…僕は全然……」
わたしは子供にまで気を使わせているのか…。
本当に情けないな…。
松「…はぁ……とりあえず、お前ら事情聴取するから本庁に来い。いいな?」
『ん…わかった。』
私はコナン君と一緒に車で警視庁に向かい
その途中、コナンくんがちらちらとわたしの方を気にしながら尋ねてきた。
コ「ねぇ美緒さん…。
ひょっとして安室さんと何かあったの?」
…鋭い子だなぁ。本当に小学生?
『…何もないよ?』
コ「…そっか…。」
たぶん私の顔を見て嘘だとバレていると思うが
コナン君はそれ以上、何も聞いてこなかった。