第1章 出会
「ねえ…美緒、
そろそろあの女達シメてきていい…?」
…やばい、瑞希がとても物騒なこと言い出した。
『ちょっと!シメちゃだめ!
教官にバレたら瑞希が警察学校辞めさせられちゃうかもしれないんだよ!?』
「でももう我慢の限界…。
あいつら美緒が何も言わないことをいい事に
根も歯もない噂をペラペラと……許すまじ…。」
普段からとても可愛らしい顔立ちをしている彼女だが、
今は般若のような顔をして手を硬く握りしめている…。
ああ……怖い。
本当に怖い…ブラック瑞希だ…
でも私のために怒ってくれるのは
ちょっぴり嬉しかったりもする。
『私は大丈夫だから!噂なんて全然気にしてないよ!
だから瑞希も無視しよ? ね?』
「まあ、美緒がそう言うなら…
でも!これ以上酷くなったら教官に報告するからね!」
『うん、ありがとね瑞希。私のために怒ってくれて。』
「当ったり前じゃん!
何かあったら絶対力になるから言ってね!」