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《降谷夢》bonheur {R15}

第30章 遠出




水族館を出るとすぐ近くには海岸があり
私たちは夕陽を眺めながら散歩をしていた。


『すごく…綺麗だね。』
「ああ。こんな景色、なかなか見られないよな。」

海岸でしばらく散歩した後、
私たちは近くにあった海を上から見渡せるテラスの席に移動して
座りながら夕陽を見ていた。


『今日は本当に楽しかった!
連れて来てくれてありがとう。』

「僕も楽しかった。…また2人で来ような。」

零くんはそう言いながら私の手を握り
パッと彼の方を見ると真剣な顔でわたしを見つめていた。


『…どうしたの?わたしの顔に何かついてる?』

「………美緒…
僕が捜査である組織に潜入しているのは知ってるよな?」

『うん…。
すごく危険な組織なんだよね?』

…急にどうしたんだろう?
零くんは視線を海に移して話し出した。


「その組織は、平気で人を殺すような奴らの集まりだ。
もし僕が公安の人間だとバレたら、僕は必ず組織に殺される。」

『…。』

「正直言うと…
美緒と恋人同士でいることをずっと迷っていたんだ。
もし僕がいなくなったら、美緒を悲しませることになるし
僕と一緒にいる事で、君が組織に狙われる可能性もあるかもしれないからな。」

…そうだよね。
私が零くんと同じ立場だったら
きっと同じように考えると思う。


「でも……


たとえどんなに大きなリスクがあったとしても
僕はもう……美緒を手放す事なんて出来そうにない。」


零くんは再び私に視線を向けて
繋いでいた手に力が入るのを感じた。


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