第26章 救助
side 降谷
「風見、例の火薬庫から爆薬を盗んだ犯人を突き止めた。
これから確認しに行ってくる。」
風「…どうなさるおつもりですか?」
「毛利探偵も、目暮警部やコナン君達と一緒に
これから犯人の自宅に向かうらしい。それに便乗する。」
風「刑事部が捜査しているのであれば、
我々公安がこれ以上介入する必要はないかと思いますが…。」
「確かにそうなんだが
盗まれた爆薬の量に対して、今のところ見つかっているのはおよそ4分の1だけだ。
残りの爆薬をどうしたのか確認する必要があるだろ?」
それに、もし他のテロリストに爆弾を渡していたら
かなり厄介なことになる。
風「分かりました。では、お気をつけて。」
風見に見送られ、車で犯人の自宅に向かう。
「まさか、自分で自分の設計した建築物を破壊するなんてな。」
そう……
爆薬を盗み、最近起きた4件の家を放火した犯人は森谷帝二だ。
公安での捜査中、
森谷帝二が若い頃に設計したという放火された建物の写真を見た時、
僅かだが完全なシンメトリーになっていないことに気付いた。
恐らく完璧主義者の森谷にとって
それは我慢ならない事だったのだろうと考えると
すべての辻褄が合った。
さらに森谷は、
西多摩市の新しい街づくりのための設計を任されていたが
西多摩市の市長が交通事故を起こし、
工藤新一の活躍によって市長が逮捕された事で
その計画は見直しになったとのこと。
完全な逆恨みだが、この一件で工藤新一を恨んでいることも調べたら分かった。
そして
工藤新一の代わりに
コナン君が爆弾の爆発に巻き込まれ怪我をしたらしいから
恐らく工藤新一に挑戦状でも叩きつけたんだろう。
なぜコナン君が爆弾を回避しようとしたのかは分からないけどな。