第25章 買物
そして、1時間後……
女子トークというのは時間が経つのが本当に早く、
もうすぐ約束の10時になろうとしている。
『工藤くんってどんな人なのかなぁ。
ちょっとワクワクしてきた!………ん?』
わたしが少し興奮気味に話していると
スマホが音を鳴らしていて、確認すると零くんからの電話だった。
『ごめん蘭ちゃん。
安室さんから電話来ちゃって、向こうで話してくるね。』
蘭「はい!どうぞどうぞ。」
わたしは蘭ちゃんから少し離れたところで電話に出た。
『もしもし?安室さん?』
「美緒さん!今どこにいますか!?」
『え?今ですか?
蘭ちゃんの付き添いで、一緒に米花シティービルにいますけど。』
蘭ちゃんの方を確認すると、
彼女も携帯で誰かと電話をしているようだった。
「っ!!!今すぐそこを離れて下さい!!」
『え?……!!」
私が電話で聞き返すのと同時に
どこかが爆発したような轟音が鳴り響いた。
何が起きたのか確認しようと思い
映画館のロビーを一旦出て、周囲を見ていると
さっき起きた爆発のせいで瓦礫がたくさん頭上から落ちてきた。
さらにその地響きのせいでスマホを落としてしまい
瓦礫に潰されてしまった。
蘭ちゃんの元に戻ろうと思ったが、
爆風で飛ばされてくる瓦礫や砂埃のせいで
すでにもう身動きが取れなくなってしまった。
『零くん……一体何が起きてるの?』
頭上から落ちてくる瓦礫を避けながら移動していたが、
避けきれなかった瓦礫が頭に当たってしまい
私は気を失ってしまった。