第23章 年越
秀一くんと再会した日から数日後。
今日は大晦日ー…
私は今日の警護の仕事を終え、
事務所の大掃除に取り掛かっている。
葉「もうすぐ今年も終わるなー。
来年こそは絶対彼女作ってやる!」
『はいはい。それ去年も聞いたよ?』
葉「うるせーな!
彼氏がいるお前に俺の気持ちはわかんねーよ!」
『別に分かりたくもない。
ほら、早く掃除終わらせて帰ろうよ。』
私の言葉を聞いた葉山は
文句を言いながら掃除に取り掛かっている。
今日は久しぶりに零くんと会う約束をしているから
早く家に帰りたかった。
彼と会うのはこの間のデート以来だ。
何時になるか分からないみたいだったけど
せっかくの大晦日だし
年越そばくらい作って待っててあげたかった。
『……よし!終わった!
社長!大掃除終わったので帰宅します!』
東「おーお疲れ〜。明日から4日間はゆっくり休めよ。
また来年もよろしくな。」
『はい!お先です!』
葉「おい!俺の掃除手伝ってくれよ!」
『嫌。普段から綺麗にしておかないからそうなるんだよ。
じゃあね、良い年を〜。』
事務所のドアを出ていくと
後ろから「薄情者ー!」という叫び声が聞こえたが…
無視だ、無視。
さすがに大晦日という事もあり
帰り道は歩行者や車の通りも普段より少なくて
いつもより静けさを感じた。
そしてアパートに着き、私は年越そばの準備をした。
お蕎麦だけだと足りないと思って
零くんが好きなセロリを使って、きんぴらと天ぷらを作っておいた。
年越番組を見ながら零くんの帰りを待っていると
夜10時頃、インターホンが鳴った。