第19章 憧憬
降谷くんと恋人同士になってから
1週間が過ぎたーーー
わたしはいつもの警護の仕事をしながら
公安の協力者として、頼まれた情報を提供したりしていた。
内容はそんな難しくなくて
警護対象者が、誰とどんな話をしていた、とか
警護先の○○という建物の内部に
隠し部屋や、密会できるような場所はないか、など…
普段の仕事から少し延長したようなことだった。
連絡してくるのはいつも風見さんで、
主にメールでのやり取りだった。
しょっちゅう頼まれ事をする訳でもないので、
身体的に辛くなる事は全くなくて安心した。
梢「美緒ちゃん。
午後から入ってた市長の警護だけど…
市長が体調不良で帰宅したから、今日の仕事はキャンセルだって。」
『そうなんですか…。
時間空いちゃったから、梢さんの手伝いしますよ!!』
東「若山、早いけど今日はもう帰っていいぞ。
今は梢さんも急ぎの仕事任せてないから
あとは俺たちだけで大丈夫だ。」
まだお昼を少し過ぎたばかりなのに…
本当にいいのかな?
梢「美緒ちゃん、
ここ最近ずっと休みなかったでしょ?
たまには早く帰って休んで!休むのも仕事のうちよ?」
東「それと、明日は前から決めていた通り
全員一日休みだからな。今日と明日はゆっくり休め。」
『……そうですか?
ではお言葉に甘えて…今日はこれで失礼します。』
梢「はいはーい。
なんなら明日は彼氏とデートでもして
ゆっくり羽伸ばしてね?」
『……あはは。お先に失礼しまーす。』
私は梢さんの言葉を軽くスルーして事務所を出た。
あんまり梢さんに突っ込むと、
逆に揶揄われちゃうからね…。これが最善。