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《降谷夢》bonheur {R15}

第17章 尾行



「……っ、くそっ!!」

部屋を出て、
苛立ちを抑えきれなかった僕は廊下の壁を叩いた。


風「……降谷さん、少しお話がありまして…。」

「……なんだ。」

風「確かに先程言った通り、若山さんには
協力者になることを断られました。
ですが……

協力者になることで
降谷さんの手助けができるかもしれないと伝えたら、
一度上司に相談すると言われました。」


「…っ……」


風「彼女にとって…降谷さんは特別な人の様ですね。」


…僕にとっても…美緒は特別なんだ。


だから危険なことには巻き込みたくない…


でも…

僕の手助けができるから、と言われて
協力者の誘いを断らなかった美緒のことを考えると
僕は嬉しくてたまらなかった。



あいつが僕のことを考えてくれた事が嬉しかったんだ。


そばにいない時でも
こんなにも僕の感情を揺さぶってくるんだな…


「…風見。僕は言われた通り
若山 美緒を協力者にできるよう説得してくる。
また連絡するから、後は頼んだぞ。」

風「…!!
…はい。分かりました。」


そのまま僕は警視庁を後にした。


帰り道
どうやって美緒を説得しようか考えているが
全くいい方法が思い浮かばない。


むしろ断って欲しいから
あまり説得する気になれないと言った方が正しいか…。


「…面倒な仕事を押し付けられたな……。」


僕は何度目か分からないため息をつき、
行き先が決まらないままただただ車を走らせた。


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