第2章 対戦
僕達はその後もくだらない話を続けていた。
若山とたくさん話す機会が無かったので
実際話してみると、とても話しやすかった。
それは他のみんなも同じのようで、和気藹々としている。
警察学校では普段女子とは話す機会も少ない。
しかし彼女とは、もっと話したい、もっと仲良くなりたいと
そう思ってしまうから不思議だ。
話をしているとだいぶ時間が過ぎたので
雑談会はお開きにして、全員で教場を出て解散した。
数日前に初めて出会った時は
陰口に対して何も言い返さない、
面倒事が嫌いだという彼女に対して、少し嫌悪感を抱いていたが
今回色々と話してみて、そんな感情はもうどこにもなかった。
今は陰で悪口を言われているだけの嫌がらせが
これ以上酷くならないといいと願いつつ
彼女に何かあった時は
全力で守ろうと心の中で静かに誓った。
松田と同様に
僕も彼女に惹かれ始めているのかもしれない…。
そんなことを考えながら
僕は今日の疲れを取るために早めに休んだ。
この時の僕は
まさかこの警察学校であんな事が起きるなんて……
微塵も想像していなかった。