第17章 尾行
事務所に到着し、私はいつも通りドアを開けた。
『おはようございます!
あの、社長。少し話があるんですが…
お時間よろしいですか?』
東「おー。いいぞ。
あと10分くらいなら余裕あるからな。」
『すみません、お忙しいのに…。
実はここ数日、誰かに尾行されているようで…』
東「…ストーカーの可能性は?」
『0とは言えませんが、
写真を撮られたりなどの被害は全くないんです。
自宅も恐らく知られていますが、
盗聴器やカメラが仕掛けてあるわけでもないので…。
被害が何もない為、現在は無視してます。」
東「分かった。被害が何もないなら今はそれでいい。
ただ少しでも気になる事があればすぐ報告しろ。いいな?」
『はい!分かりました。
では、今日の仕事に向かうので失礼します。』
東「危害がないなら奴等じゃないだろうが……
……若山を尾行するなんて…何者なんだ?」
社長が呟いた言葉は、私の耳には入らなかった。