第13章 過去
「若山…具合は大丈夫か?
どっか痛いところとかない?」
『大丈夫…。
それより前田さんは?無事だよね…?』
「っ…前田さんは……
救急車で病院に着いてからすぐ……
死亡が確認された……
内臓の損傷による出血多量だそうだ。」
『!!そ、んな………
嘘だよ、そんなの……!
前田さんほど優秀な人が……死ぬはずないじゃないっ!』
「残念だけど本当の事だ……。
葬式は明後日…。身内だけでやるらしい。」
同僚が話す内容は
今の私にもう耳に入ってこなかった。
私を庇ったせいで前田さんは亡くなった…。
私が…
前田さんを殺してしまったんだ……。