第13章 過去
『私はSPです。
それ以上でもそれ以下でもありません。
あなたのことは仕事上お守りしますが、
特別な関係になることは絶対有り得ませんので。
今後このような話はお控え下さい。』
「そんな固いこと言わないでさ。
試しに一回デートしようよ〜」
……だめだこの男。
話が全然通じない……。
その後、交代の人が来るまで
バカ息子はずーっと私を口説き続けてきた。
今日はなんとか無視し続けて終わったけど…
明日もまたあの男の警護につかなければならない。
人手不足だから誰かに代わってほしいとも頼めない…
上司である前田さんに相談したいところだけど
あの人も警護で忙しいから、最近は顔も見ていない日が続いていた。
はぁ……
憂鬱だ…