第9章 爆弾
side 降谷
美緒の部屋を出て
コインパーキングに止めてある自分の車に向かった。
車に乗り込んで、
美緒が住んでいるアパートを見上げると
さっきの美緒の顔が頭に浮かんで
ハンドルに置いた手に顔を埋めた。
「はぁ……あんなことするつもり無かったんだけどな…」
僕は美緒に言われたことを思い出していた。
(『距離が近くてドキドキしちゃったのも
緊張して恥ずかしくなっちゃうのも……
私の隣に居たのが降谷くんだから、だよ。』)
(『…だからっ!降谷くんにだけなの!
緊張したり、ドッキドキしたりするの!
他の人だったら何とも思わないんだから!
警察学校いた時からずっとそうだもん!
言わせんな!ばか!」)