第9章 爆弾
でも私はその声に気付かないふりをして
歩道の柵を飛び越え、車に駆け寄った。
ちょうど白鳥くんが運転席から出ようとしていて
近づこうとしたら、車が大きな音を立てていきなり爆発した。
私は爆風で車道に飛ばされたが
たまたま車の流れが途切れていたので、事故にはならずに済んだ。
身体を起こして当たりを見渡すと
頭から血を流して倒れている白鳥くんが視界に入った。
『!!白鳥くん!しっかりして!
すぐ救急車呼ぶからね!!』
白「っ、はぁ……はぁ、美緒さん…こそ…
怪我、してるじゃないですか…」
『私のことはいいの!大した怪我じゃない!』
白「だめ、ですよ…あなたにもしものことがあったら…
萩原隊員と伊達刑事…
……あと…松田刑事に、殺されます…」
『っ…馬鹿ね、
そんなことさせるわけないじゃない…』
私達が話しているところに
美和子ちゃん達みんなが駆け寄ってきた。