第8章 秘密
顔の火照りが少し落ち着いたところで
私は今の自分の仕事を話すことにした。
『私ね、今は民間の警護会社に勤めてて
ボディーガードとして働いてるの。』
「へー。向いてそうだな。」
『みんなにも同じこと言われた。』
「だろうな。」
『小さい会社だけど、楽しいよ。
安室透さんの探偵業で困ったことあったらいつでも言ってね!』
「ははっ。心強いな、その時はお願いするよ。」
そんな会話をしていたら、
ちょうど梓さんが買い物から帰ってきた。
これ以上降谷くんの仕事の邪魔も出来ないから
帰ろうと思い席を立ち、レジに向かった。
キラキラスマイルをした安室さんがお会計をしてくれて
小銭のお釣りと一緒に白い紙切れも渡してきた。
なんだろう?と思っていると、
「僕の今の連絡先。
あいつらにも教えてないから、内緒な。
なんかあったら連絡してこい。」
耳元でそう呟いた後、彼はサッと離れたので
私は黙って頷いて店を出た。
出る直前には、
「ありがとうございました〜」なんて言ってる
彼の呑気な声が聞こえてきた。