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《降谷夢》bonheur {R15}

第72章 多幸




5年後ー…











「ママー!僕今日おたんじょうびだよっ!」

『あははっ、そうだね!おめでとう、翔。』



時が経つのは本当に早くて
私と零くんの息子である翔(しょう)は今日で5歳になった。



「あのねっ!
今日保育園でもいーっぱいお祝いしてもらった!」

『ふふっ、良かったね?
でもこれからパパとママのお友達も
翔のことお祝いに来てくれるからね!』

「ほんとっ!?やったあ!」


…最高に可愛い我が子。
髪は私と同じ黒髪だけど、瞳の色は零くんと同じで綺麗なブルー。


両手を上げて喜んでいるその姿は
まるで小さい零くんを見ているようで自然と顔が綻んだ。



現在の時刻は夕方…


自宅で翔の誕生日パーティーをするため
キッチンでたくさんの料理を作っていると
玄関の方から鍵が開く音が聞こえた。



「あっ!パパかえってきた!」


翔は零くんが帰ってきたのが分かると
すぐに玄関へ走って行ったので、私も手を止めて後を追いかけた。


「パパおかえりーっ!」

「ただいま、翔。誕生日おめでとう。」


零くんは迎えに来てくれた翔を抱き上げて
とても優しい目を向けながらお祝いの言葉を伝えていた。


『おかえり、零くん。』

「ただいま。」


私にも優しく笑いかけてくれた零くん。
5年経った今でも相変わらずかっこよくて…

笑顔を向けられるだけで、胸がきゅんとした。


そのまま3人でリビングに向かい、
零くんはスーツから普段着に着替えていた。


「あいつらが来るまでもう少し時間あるから
ご飯作るの手伝うよ。」

『ありがと〜!助かる!』


2人でキッチンに向かうと
私達の様子を見ていた翔が声を上げた。


「パパ、ママ!僕もお手伝いするっ!」

『ほんと?
じゃあさっきまで遊んでたおもちゃのお片付けしてくれる?』

「うんっ!まかせてー!」



てくてくとリビングに向かった息子を見ていると
零くんもその様子を見て笑っていた。


「本当に大きくなったよな、あいつ。」

『そうだね。
それより今日早く帰ってきてくれてありがとね?』

「翔の誕生日だからな。
朝はあいつが起きる前に家出たし、それに…」


後に続く零くんの言葉を待っていると
急に私の耳元に唇を寄せてきた。





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