第71章 懸命
『零くん…ここ病院だよ…』
「だから何だ。」
『看護師さん来たらどうするの…?』
「どうもしない。見せつけるだけだ。」
…真顔で何を言ってるんだろうと思っていると
零くんの顔が徐々に近づいてきて目を閉じかけると
私達の可愛い息子の泣き声が聞こえてきた。
『…起きちゃったみたい。』
「もうお預けは勘弁してくれ…10秒だけ。」
『うん…キスして?零くん。』
「ああ…喜んで。」
たった10秒間のキスだけど
零くんとのキスはいつも甘くてドキドキして…
とても幸せな気持ちになるんだ。
ちゅっ、と音を立てて唇が離れると
零くんは私の顔を見て微笑んだ。
「美緒…愛してる。」
『私も…愛してるよ…』
互いに気持ちを伝え合った後
ベットに座りながら赤ちゃんを抱っこして2人であやした。
(なぁ、美緒。)
(んー?)
(2人目はいつ作る?)
(!?気が早すぎるから!!)