第1章 幼馴染
眉間に皺を寄せ、参考書とにらめっこをしながらクルクルとペンを回す。
いつもなら捗る筈の勉強が今日はちっとも進まない。
馬鹿でかいテレビから流れてくる音に『はぁ…』とため息を吐き、ペンを机に置いた。
『ねぇ、、テレビ消さない?集中出来ないんだケド。』
部屋の主に声を掛けるも、背中越しで表情は見えないが余程夢中になっているのか返事はない。
珍しいな…、いつもならTVなんて付けないのに。
てゆうかこれってサッカーのワールドカップ?
確か今日決勝があるって朝のニュースでやっていた気がする。
『玲王、サッカーなんて興味あったっけ?』
もう一度背中に向かって声を掛けた。