第10章 傷を癒すのは…
ピリつく空気の中、
國神さんの身体を押しのけて凪が中へと入って来た。
「あ、いるじゃん、、、って何…、、その傷……。」
普段あまり表情が変わらない凪の顔がみるみる嫌悪の表情に変わっていく。
そしてその矛先は私の隣にいた千切さんに向けられた。
「・・・・ねぇ、説明してくんない?」
部屋の温度が下がったかと思う程、凪の冷たい視線と低い声に背筋がゾクっと凍る。
「説明…ね。してもいーけどさ、そもそもこんな時間に男2人が勝手に部屋に入ってくるってどうなの?
元々知り合いなのかもしんないけど、無神経過ぎでしょ。」
ち、、、千切さん、、、⁈
千切さんもかなり威圧的な態度で凪を睨み返す。
「あ?俺らが無神経⁇ならアンタ達はどーなんだよ。」
更に交戦的な態度になる凪、それを止めたのは……
「凪。一旦話し聞くから、落ち着けよ。」
意外にも玲王だった。
玲王は凪の肩に手を置き、ポンポンと宥めるように叩くと私に視線を向けた。
「、何があった?」