第12章 一日奥方1 【家康】R18
深い後悔と不安に苛まれ一睡もできずにいた。
早朝、名無しはぱっちりと目を開けた。
「‥‥」
「‥‥私‥‥いつの間にか寝ちゃった‥‥」
「身体‥‥大丈夫?‥‥」
「身体?別に何とも‥‥」
名無しは夜着を少し開いて自分の胸元を覗きこむ。
「あ、これのこと?もう、こんなに痕つけちゃって」
しょうがないなぁ、というように名無しは微笑んだ。
俺の胸に安堵が広がる。
縛って無理矢理犯した事は覚えて無いのか。
それともわざと流してくれているのか。
「信じて‥‥」
「ん」
どちらにしても名無しは俺から離れないでいてくれる。
俺は素直に頷く事ができた。
名無しもにっこり笑った。
「でも、お世話って何をすればいいんだろう。家康は自分の事は何でも自分でしてくれるからわからない」
「あんなやつ、人参でも食わせておけば」
「確か三成くんが苦手な食べ物だよね。またそういう事を言うんだから」
「お願いだから、とにかく早く帰ってきて」
妻として夜まで一緒とか、とんでもない。
「わかった」
「信じてる‥‥」
優しく微笑む名無しを抱き締めながら俺は耳元で囁いた。