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イケメン戦国 書き散らかした妄想

第3章 五色の夜2【信長】R18



風は無く空気は何の匂いも含んでない。

今夜はくっきりとした夜。

そして堂々たる満月。

放つ光も凛と冴え渡っている。

私が天主に着くと信長様は盃を煽っていた。

その瞳と同じ燃えるような深紅の夜着に、格調高い黒い羽織。

こちらが身震いする程の威圧感と、色気を放つ。

「名無し、待ちくたびれたぞ」

「すみません‥‥」

今日は言おう、やはり夜伽はできません、と。

「あの、信長様‥‥」

いきなりぐいっと強く抱き寄せられ、私の言葉は宙ぶらりんになった。

間髪入れずに口づけられ、唇に酒を流し込まれる。

反射的にごくりと飲み込むと、かぁっと熱い感覚が喉を通り体の中に落ちていく。

「‥‥ん‥‥んぅ‥‥」

そのまま信長様の舌は強引に私の唇を割り、

舌まで激しく絡み取られる。

口内を犯され、私の心臓は早鐘のように打つ。

強く抱きしめられ抵抗できず、呼吸もできず苦しくなった頃に唇が解放された。

「っ…はぁ…!」

「どうだ、上手い酒だろう」

信長様はぐいっと盃を煽り、さらに私に口づけた。

再び流し込まれる酒はかなり強く、先程と同じように熱く体の中に流れ落ちていく。

むせかえる程の甘い芳香と、強引な口づけにくらりとする。

「名無し、見ろ、見事な月だ」

天主から見る月は近くて、さらに迫力を増している。

その明かりに照らされた信長様のゾッとする程の美貌。

満月の魔力と魔王の魔力が共鳴し合い、より強くなっていくような気がした。

信長様に肩を抱かれながら月を仰いでいると、頭の芯がぼうっとなっていく。

お酒のせい…?

違う、私はお酒に強いからさっきの量くらいじゃ酔わない。

いつからだろう、信長様の大きな手は私の身体を這い回っている。

もう既に上手く拒否できなくなっていた。

「ん‥‥はぁ‥‥‥ぅぁん」

「相変わらず貴様は良い声で鳴く」

信長様の美しい低い声が耳から染み入ると、重々しい色気が私の腰へズンッと響いた。

思考はぼんやりしているのに、感覚は冴えている。

体の中心がどんどん熱くなり疼いている。

快感への欲望が止められない。

自分が自分じゃなくなってしまいそうで怖くて、思わず私は信長様の首に両腕を回し、しがみついた。
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