第33章 歪んだ愛で抱かれる 後編 【三成】R18/ヤンデレ
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『三成くんって天使みたい』
『てんし…?それは何ですか?』
『…えっと、外国の神さまに仕えてるって信じられてる存在、かな』
『神の…?いえ、そんな大それたものではありませんよ』
『天使みたいっていうのはね、心が清らかな人ってことだよ。笑顔が可愛くて、純粋無垢って感じで、皆に優しい三成くんを見てるだけで私は癒されるの』
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(違う…)
名無しは自分を好意的に思ってくれ、それをただ無邪気に表現してくれたようだったが、三成にとっては全く嬉しくない言葉だった。
『笑顔が可愛い』
『純粋無垢』
『皆に優しい』
さらには『見てるだけでいい』だなんて。
名無しにとって自分は単に無害な存在で、全く男として見られていない。
それを突きつけられ、見くびられている気さえした。
むしろ、名無しが『天使』というもののようだと思う。
純粋で愛らしく、特別な存在。
自分はその『天使』に強く恋い焦がれるただの男。
それも自分のものにしたい、さらには穢したいという黒い欲望まで抱いている。
「三成くん…?」
名無しは、いつもの優しい表情が消えた三成の様子をうかがいながら、
「手…どうして縛られているの?…ねえ、これ解いて」
紐で括られた両手を差し出して、おそるおそる言った。
(ああ…終わりか…)
名無しの前で黒い欲望をひた隠しにしながら演じてきた天使のような『三成くん』はもう終わり。
彼女が心を許し安心しきった笑顔を見せてくれるのは、それはそれで心地よかった。
一抹の寂しさを覚えるが、もう既に本性はバレているのだろう。
三成の中で欲望が解放されていく。
差し出された名無しの両手を掴んで、その身体をぐいっと引き寄せた。