第2章 出会い
長い物語の始まりは、高校1年生の4月8日。
なんとなく勉強をして、なんとなく選んだ高校にギリギリの成績で合格して。
今日は待ちに待った(?)高校の入学式。
人見知りな性格である私は、面倒に思いつつも、いつもより少し綺麗に身だしなみを整えてから、重い足を引きずって家を出る。
入学式に出席する両親の運転する車から降り、私は今日から自分の母校となる高校の敷地に足を踏み入れた。
同じ高校に入学し、待ち合わせていた幼馴染の咲と落ち合うと、慣れない場所に着て、初めて心が落ち着いた。
その後しばらく、同じ中学から来た友人と写真撮影をし、そこに写る自分の姿を見て、いつも通り「もっと可愛かったらなぁ」と思った。
クラス分けの掲示を見て、友人たちの中で、自分一人だけ階が違うことに絶望。
うまく友達を作れるだろうか、やっていけるのかと、家に帰ってから母親に愚痴をこぼした。
これから始まる高校生活の、冴えない一日目。