第1章 いちごたると
それぞれに夕飯も食べ終えた頃。自室に戻ったタイミングで呼び出された雪たち。
何か面倒事かと思って談話室に来てみれば、(自分で呼び出しておいて)少し遅れてやって来た五条先生がこれまたお高そうな紙袋から大きな箱を3箱も取り出した。
「任務の帰りに寄ったんだー♪地方にあるのにまぁ有名なお店でね」
机に箱を置き、2箱の蓋を開いて中を見せる。
やや小ぶりに見えるが、どれも美味しそうなケーキだった。
「ありがとうございます!」
一番前にいた雪が代表して礼を言う。
「悟にしては気の利いた差し入れじゃん」
雪と野薔薇ちゃんの背後から真希さんの声がした。
「しゃけ!」「だな。美味そう」
後ろから真希さんと狗巻先輩、パンダ先輩が箱を覗いて笑う。先輩たちの隣では、伏黒くんと虎杖くんも箱を見ていた。
「美味そう!ありがとう五条先生!」
珍しく?口々に礼を言われ、賞賛の声が上がり「でしょー!」と五条先生は自慢気に箱を持ち上げて見せていた。