第4章 「り」
だけどやっぱり歌うことが好きで
諦めきれなかった私は文化祭のステージてもいいから
歌いたいと思い弾き語りをしようと思った。
もちろんコピーなのではなく
自分の想いが詰まったオリジナルのもので。
田口先生はそのことを言ってるのだろう
「それをだな。こっそり録音していて…。あっ!実はこいつ俺の学生時代の友人でな…。」
そういうと田口先生は男性に寄って手を肩にのせた
「それでちょうど白石の声を録音したやつを聴かせるとぜひ会いたいっていうから…。で。こいつ今、音楽関係の仕事に勤めていて新人を探してるんだよ」
「なんの…。新人ですか?」
「まだ売れだしていない世間一般的に知られていない原石のような子だよ。」