第2章 薄桃色の世界
「すごいじゃん!そんなにたくさん話せたのなら行けるって!」
その後の部活で僕はなぜか尋問を受ける
実瑠も椅子から体を乗り出して聞いてくるし
「あーーー!アヤちゃんにも春が来たのかぁあ!」
噛み締めるように喜んでくれてるのは分かるのだが
なぜあからさまにニヤついているのか正直分からない
「で、図書室に今度来ると?」
「んー、まぁそんな話したよ」
三人口をそろえたようにおんなじ反応をする
「もう聞いてるだけで口角が緩んじゃいますよー!」
後ろのほうで聞いてた甲斐沢先生まですこしくねくねしながらニコニコと笑ってる
見てるこっちが恥ずかしくなるくらいだ
「とりあえず来週まではフリーにするからたくさん話しておいでよ!」
「でも16日の祭り前に少し練習はしてきたいかも」
「わーかったよ!じゃあ土日、みっっちりやろう!」
スケジュールの調整をした後僕らは解散した。
6月の上旬は聞いたところによるとIH予選があるらしく
バレー部はだいぶ練習が白熱してるとか
いまだによくわかってないから今のうちに少し勉強しておこうと思う
まだ図書室が開いてることはわかってるから足早に向かう
図書室の引き戸を開くと同じ図書委員の先輩は清掃してるのかカウンターにはいなく、いそいそとスポーツコーナーに向かい
何冊かバレーの本を持ち一番奥の席を取る
僕は知ってる。
ここの席を取ると第二体育館が下に見えることを
まあ室内で練習してるからあまり見れないけど休憩中とかよく外に出てきたりしてるのだ
それを知ってから時々こうして第二体育館を眺めつつ読書や勉強をする
バレーのルール本や過去の試合の歴史とかいろいろ読んでると
第二体育館の出入り口が開きメンバーがぞろぞろと休憩に出てきてるのが見えた
その中に菅原先輩の姿も見える
なぜか目が離せなく見つめているとふと見上げた菅原先輩と目が合う
僕に気付いたのか手を振ってくる
咄嗟に本で顔を隠してしまう
しかしバレーの本を読んでいたことを思い出し本から恐る恐る顔だすといい笑顔で親指を立ててくれている
とてつもない羞恥心が湧き上がる。
でもそうして笑顔を向けているこの瞬間が
僕の中で綺麗な薄桃色の世界になっていく
改めて気づく、彼の事が好きだと。