第1章 葛藤。
あのときの僕へ。
ありがとう。
勇気を出して書き始めてくれて。
今、思ってることは
たくさん、あるだろうけど…、
どうかそのまま
自分を信じて書き続けて下さい。
相変わらずウサ耳には慣れない僕だけど、
キミのおかげで12年後の僕は
今、とても幸せです。
自分を諦めないで生きようとしてくれて
本当にありがとう…。
*
2人の気持ちが
NEWSから離れつつあったのは感じていた。
それでも、俺は
6人のNEWSを守る道を模索していた。
自分には何ができるのか…、
答えのみえない自問自答
を繰り返す日々。
何か、しなきゃ。
何か……。
それとは裏腹に
暇を持て余してる現状に
気持ちばかりが焦っていく。
俺には、
何ができる?
何が…。
学生時代から今もずっと、
書くことは好きで続けている。
書くことに関しては
仕事の人からも褒められたことがある。
書くことを
俺の『何か』にできるかもしれない…。
形になる保証はどこにもなかったけど、
もがきながら必死で書き上げた小説。
この小説がカタチになれば
ひょっとしたら…
グループの未来を変えられるかもしれない。
そんな一縷の望みにすがって
必死に書き上げた処女作だった。
だけど……、脱稿した1ヶ月後
無常にも2人の脱退は静かに決まった。
話し合って決まったというより…
決定事項を報告された。
そんな感じだった…。
そして、その2ヶ月後
処女作の発売が決定して。
「やった!」
自分の存在意義が認められた気がして
戦える自分の武器を手に入れた気がして
ものすごく嬉しかった。
だけど…それと同時に
『間に合わなかった……。』
そうも、思った。
他の3人が2人の脱退をどう感じていたか
本音のところではわからないけど…
俺は止めたかったけど、
止められなかった。
もし、昔からがむしゃらに頑張ってれば、
普段からちゃんと、話し合ってたら
今とは違う未来もあったのかなって…
そんなこと考えても
しょうがないことはわかってるんだけど
どうしても考えてしまう俺がいて。
多分、4人のなかで一番引きずってるし、
これからも悔やみ続けるんだと思う…。