第3章 crossroads
〜手越side〜
気持ちは…固まった。
事務所にも話した。
さて、3人には
いつ言おうか…。
ツアーの後がいいのか、
始まる前がいいのか迷うけど…
山下くんたちが抜けたとき、
あの会議室で少しだけ話して、
あの2人は部屋に残された
オレたちの方を振り返ることもなく
それっきり、だったんだよな…。
最後だという感覚もなく、
やってたLIVEツアー。
あとから思えば
あれが、最後で…。
ファンのみんなに
どのタイミングで伝えるかは
3人に任せるとして、
オレから3人にできることは
オレの脱退を伝えたうえでツアーを回って
ツアーを通して少しでも
気持ちの区切りをつけれるように
寄り添うことなのかなと思った。
それが、今まで一緒に頑張ってきた戦友にできる
最後のことなんじゃないかって…。
STORYツアーのゲネプロが終わって、
楽屋に戻ったタイミングで伝えると…
小山さんは
本当に寝耳に水のような反応をしていて
唯一
『すぐには受け入れられない…』
と言葉にしていたし、
一番動揺していたように思う。
小山さんはNEWSにいながらNEWSのファン
みたいなところがあったから…
これがファンのみんなの反応なのかもと思ったり。
それに対して、
シゲはとても建設的だった。
オレの思いを受け止めたうえで、
『NEWSに属したままで
手越の夢を1つでも多く叶える方法はないのかな…』
と、愛のある言葉をかけてくれた。
オレも今までメンバーには
それとなく伝えてきたつもりではいたから…
きっと、シゲには
伝わっていたんだろうと思う。