第1章 東山コベニ、入学
「(先生の顔…怖いッ!!)」
担任である夜蛾正道の背中を追うのは、家の事情により遅れて入学することになった東山コベニ。今は八月。かなり遅れていることにコベニは軽く恐怖。それ以外にも色々恐怖。
特に恐怖しているのは、クラスメイトである。聞くには呪術界隈で御三家と呼ばれる家の者が一名、呪霊を操る事の出来る術式を持つ者が一名、他者にも施すことができるほどのレベルの反転術式を扱う者が一名。
_これはやばい
ひたすら心の中でそう思う。もし地雷踏んだら…もし反感を買ったら…もし、もし……。ノイローゼになりそうだ。
「此処が教室だ。入るぞ。」
「へ、ッはい!!」
不安しかない。