第7章 友達
「そういえば、百と女の好みについて話したことはなかったよね。でもそっかぁ。こういうタイプが好きだったんだ?」
「へっ?あ、あはは。どうなんだろ?あっ、そういう了さんは?ちゃんがプリチーだから側に置いてるんじゃないの?このこの〜!」
「まさか!あくまで能力があるから秘書に使ってるだけだよ」
それは、分かっていたことだった。ただ、事実を言語化されただけ。でもこうも胸が痛むということは、私はどこかで期待していたのだろうか。
了にとって私が、少しでも特別な存在であるなどと。
顔に出したつもりはなかったが、百は私の心を読み取ったのだろう。暗くなった場をどうにか持ち上げようと、さらに明るく声を張る。
「了さんにそこまで言わせちゃうなんて、ちゃんは優秀なんだね!」
『いえ、そんなこ』
「そうそう。秘書以外のことだって、彼女はとても優秀だよ。たとえば」
唐突に顎をすくわれたと思えば、なんと唇が合わさった。驚きの声を上げる暇もなく、すぐに了の熱い舌が口中に捩じ込まれる。反射的に口を閉じそうになるが、まさか私に彼を拒むことなど出来ない。
きっと百は、他人の舌と他人の舌が絡まるのを前に、目を白黒させているに違いない。
よくやく私の唇を解放した了は、にこやかな笑顔で百に向き直る。私の秘部に、手を置いて。
「とまぁ、こっちのお仕事も得意だよ!具合もなかなか悪くない。興味があったら試してみる?百になら特別に貸してあげるよ!」
「えぇっ?! や…、それは〜…なんと言いますか…!」
「それとも、ここで服を脱がせようか?あっそうだ!いっそのこと3人で楽しんでみるのも良いかもね!」
「ちょっ!?それは絶対に良くないでしょ!!」
私は羞恥から、しばらく顔を上げることが出来なかった。